アフリカ系アメリカ人の高血圧リスクと生活習慣の関係

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アメリカは日本と異なり様々な人種の方が共存しているが、その中でもアフリカ系アメリカ人は高血圧のリスクが高いといわれている。一説によると、成人のアメリカ人の約33%が高血圧だが、アフリカ系アメリカ人に限ればそのパーセンテージは約45%にまで上がると言われている。その原因を探る研究も盛んにおこなわれ、現在ではアフリカ系アメリカ人の高血圧に関係する遺伝子も判明してきている。
その他にもアフリカ系アメリカ人が高血圧リスクとの関係を指摘する多くの研究がおこなわれているが、この度、アメリカ心臓協会のHPに次のような記事が掲載された。

『African Americans with healthier lifestyles had lower risk of high blood pressure』
元記事を参照する(英文)

つまり、『健康的な生活習慣をおくるアフリカ系アメリカ人は、そうでないアフリカ系アメリカ人に比べて高血圧のリスクが低い』といった内容だ。

この記事では、同じアフリカ系アメリカ人を”Life’s Simple 7″(後述)という7つの生活習慣に関する項目をもとに分類し、それぞれの群による高血圧のリスクの違いを比較している。
つまり遺伝的な側面ではなく「生活習慣」という改善可能な点に着目して記事が書かれているのだ。アフリカ系アメリカ人に限定されているが、私達日本人にも大変参考になる記事であったので以下で紹介する。

Life’s Simple 7とは

記事の内容に触れていく前に、重要な概念である“Life`s Simple 7”について説明する。
Life`s Simple 7とはアメリカ心臓協会が2020年までに20%心疾患を減らすことを目標に提唱する7つの習慣のことで、具体的には以下の7項目である。

Life`s Simple 7

  1. 血圧を適切に管理する
  2. コレステロールを適切にコントロールする
  3. 血糖を適切に管理する
  4. 活動的になる(※1)
  5. 健康的な食事をする
  6. 体重を減らす
  7. 禁煙する

※1 ここは「運動する」ではないのか、という疑問が出てきてしまいそうですが、AHAの公式サイトの詳細を見ていると、「活動的になる」というのは必ずしも「運動を推奨している」というニュアンスではなく、文字通り活動的になることを推奨しているようです。

Life`S Simple 7の満たす項目が多いほど高血圧のリスクは下がる

記事によると、研究開始当初に上記の”Life`S Simple 7″の項目の少なくとも2つの健康行動を実践するアフリカ系アメリカ人は、1つまたは1つも実践しない者と比較して、追跡調査時の高血圧リスクが20%低下したことが示されたという。
また、7項目中6つ以上の健康行動を実践していた者は、1つまたは1つも実践しなかった者と比べると高血圧のリスクが90%低かったそうだ。

これらの発見はThe Jackson Heart Study(アフリカ系アメリカ人における心血管リスクを調査する研究)に基づいているそうだ。The Jackson Heart Studyでは、被験者5000人の8年間に及ぶ追跡調査によりさらに次のことが分かっている。
5000人の被験者の50%以上の人で高血圧が進行していた。
Life`s Simple 7で1つもしくは1つも項目を満たさない人(被験者の約80%が該当)は、6つ満たす人(被験者の約10%が該当)に比べて高血圧はより進行していた。(ただし、7つ全てを満たす被験者はいなかったそうだ)
また全体として、理想的な生活習慣をを続けている人は①若い人②女性③少なくとも高等教育を卒業している人④少なくとも収入が25,000万ドルを超えている人が多かった。

以上のことから分かることは?

これらのことより、Life`s Simple 7の項目を実践することが高血圧のリスクを大きく低下させる可能性が有るということが分かる。
また、Life`s Simple 7を1項目ずつ見ていくと、それらを実践するのはそれほど難しいことではない。特に下の4項目は今、この瞬間から実践できることだ。そのような小さな習慣の改善を積み重ねることで、心疾患を予防するという点においてとつてもない力を発揮することが分かる。
(ただし、今回の結果はLife`s Simple 7を評価の中心に持ってきており、年齢・性別など他の要因を厳密に考慮していくと若干異なる結果になるかもしれない。
例えば、理想的な生活習慣を続けている人達の1つに若い人とあるが、若い人はもともと高血圧のリスクは低いと考えられ、生活習慣が良いから高血圧が進行しなかったのか、若いから高血圧が進行しなかったのか、この結果だけでは判断できない。)

しかし、その点を考慮してもこの研究から私たちが学べることは多く、日ごろの生活習慣がいかに大切か分かるはずだ。

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