胸骨圧迫の方法|心肺蘇生法について詳しく解説

胸骨圧迫の方法

もし、あなたの目の前で突然バタンと人が倒れたらどうしますか。

普段からしっかりとそういう状況をシミュレーションをしている方であれば、「心臓が止まっているのか確認して、止まっていたら心肺蘇生法を行わないと!!胸骨圧迫と人工呼吸、そしてAEDだ!!!」と即答できるかもしれません。しかし、そのような状況に遭遇した時に戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。

また、いざ心肺蘇生法を実施しようとしたときに、自信をもって心肺蘇生法を行うことはできますか。

この記事では、心肺蘇生法の中でも胸骨圧迫にスポットをあてて「成人に対する正しい胸骨圧迫の方法」を説明していきます。

他の記事で成人の心肺停止に対する全体像について紹介しておりますので、是非そちらも一緒に確認してみてください。

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胸骨圧迫の際の手の組み方と手の置く位置

効果的な胸骨圧迫を行ううえで、どのように手を組んで、その手をどこに置くのかを理解しておくことは非常に大切です。ここでは、その2つからしっかりと確認していきましょう。

手の組み方

まずは、手組み方から見ていきましょう。手を組むときは、手のひらの付け根と手のひらの付け根を重ねて、組みましょう。この時、一般的には利き腕を上にした方が圧迫しやすいと言われていますが、どちらが上でも構いません。

手の置く位置

次に、手の置く位置、圧迫する部位を説明をします。胸骨圧迫をする際は、「胸骨の下半分」に手を置いて胸骨圧迫を行いましょう。とはいっても「胸骨の下半分」とはどこでしょう。なかなかイメージしにくいですよね。なので、下に掲載した参考画像で確認してみましょう。

胸骨圧迫の手を置く位置

上記に掲載した画像でもわかるように、「胸骨の下半分」に手の付け根の部分を合わせるようにおいてください。あくまでも、手の付け根のみを胸骨の下半分に置き、胸骨圧迫を行っていきましょう。手のひら全体で胸骨圧迫を行うと、ろっ骨などの損傷につながるためです。手の付け根のみを「胸骨の下半分」に置いて、手のひらは浮かせるようなイメージでいるとわかりやすいかもしれません。

胸骨圧迫時の姿勢、方法

胸骨圧迫の際の手の組み方、置く位置が分かったところで、次は、胸骨圧迫の姿勢や方法について説明します。簡単に言うと、手の付け根の上に肩が来るようにして、肘を伸ばしてまっすぐ垂直に押す!これを覚えておけば大丈夫です。

胸骨圧迫時の姿勢

よく胸骨圧迫の方法を指導していると、手の付け根のうえに肩が来ていなかったり、肘が曲がっていたりして、十分に深く胸骨圧迫をできていない方が見られます。そういう方に、正しい姿勢をアドバイスすると見違えるほどうまく胸骨圧迫ができるようになることが良くあります。十分に深くまで押せていないな、と感じたら、ちゃんとした姿勢が出来ているか意識してみてください。

胸骨圧迫の深さと速さ

ここからは、胸骨圧迫の深さと速さについて解説していきましょう。圧迫の深さと速さは非常に重要です。しっかりとポイントを押さえていきましょうね。

胸骨圧迫の深さ

成人の場合、圧迫の深さは5㎝以上(5~6㎝)で圧迫するように推奨されています。

AHAガイドライン2015以降、6cm以上圧迫しないことが追加されていますが、実際には6cm以上圧迫することの方が難しいといわれています。また、6cm以上圧迫しないように意識しすぎると、5cm以下の圧迫に繋がってしまいます。胸骨圧迫を行う際は、少なくとも5㎝以上押すことをしっかり意識しながら行いましょう。そして、もう一つ忘れがちですが、圧迫した胸郭は、圧迫ごとに必ず100%もとの位置に戻すことを覚えておいてください。

胸骨圧迫の際に胸郭を100%元に戻すことの意義

胸骨圧迫を行うのは、止まってしまった心臓の代わりに全身に血液を送るためです。ところが、胸骨圧迫の際に、圧迫にばかり集中して胸郭を元に戻すことを怠ると、心臓に十分に血液が戻ってこないため有効な血液を全身に送れません。深く圧迫することも大切ですが、それと同じくらい十分に胸郭を元に戻すことも大切です。毎回100%元に戻すようにしましょう。

とはいっても、実際に胸骨圧迫をしながら、適切な深さを押せているかどうか判別するのは結構難しいです。5㎝~6㎝での胸骨圧迫の感覚をわかることが理想的です。そのためには定期的に人形(マネキン)を使用したトレーニングを行うことが非常に有効です。トレーニングに関しては記事の最後に紹介しますね。

胸骨圧迫の速さ

圧迫の速さは100回~120回/分で胸骨圧迫を行いましょう。

この説明だけで終わると少し味気ないので、もう少しだけ、補足説明を加えますね。

もともと胸骨圧迫の速さは100回/分と推奨されていました。圧迫の速さが100回~120回/分に変わったのは、2013年6月25日からです。圧迫を速く行うことで、傷病者の自己心拍再開率も向上、神経機能の向上に繋がるということで、その目安の速さが100回/分以上だったのですが、速すぎると胸郭の戻りが不十分になったり、深さがたりばくなることに繋がることから、120回/分という上限が決められました。

質の高い胸骨圧迫を行うために

ここまで、胸骨圧迫の方法について解説してきました。ただ、いくら頭でしっかり理解をできていても、倒れた人を目の前にしてしっかりと胸骨圧迫を行えるわけではありません。いつ胸骨圧迫を行うことになってもしっかりとできるようにするには、人形(マネキン)を使って定期的にトレーニングを行うことが非常に有効です。

実技のトレーニングに関しては、アメリカ心臓協会(AHA)公認のBLSコースで、心肺停止に対する実技を中心としたスキルを学習することが出来ます。

このコースは、心肺蘇生法の教育において世界で最も権威あるAHAが、30年以上にわたる研究と経験に基づき、DVDを見ながら(または見た後で)、マネキン(人形)での練習を小グループに分かれて行います。これは、PWW(Practice While Watching)と呼ばれる最も新しい教育方法です。

気になる方は、リンクを掲載しておりますので、以下のリンクからご確認ください。

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