BLS(一次救命処置)とは | BLSの手順とAHA(アメリカ心臓協会)公認のBLSコースについて解説

  • 2023年6月29日
  • 2023年8月6日
  • 04)BLS
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BLSとは

BLS ( Basic Life Support )とは、心肺停止や呼吸停止に対する一次救命処置のことで、AED以外の特殊な器具(モニター、点滴セット、薬剤、挿管セットなど)を使わないで行う救命処置のことです。一般的には病院外で行われる救命処置となります。AED以外の特別な器具を用いず、主に「胸骨圧迫」・「人工呼吸」・「AED」が主体になり、いずれの手技も医師免許や看護師免許をはじめとした医療資格は必要なく、時に医療従事者でない方においても必要とされる知識です。心肺停止が起こってから、一次救命処置による心肺蘇生法がより早く実施されるほど、患者の救命率は高くなることが知られています。心肺停止の3分の2は家庭で起こっていることを考えると、一般の方も是非取得すべき知識ということになってきます。

【関連記事】BLS(一次救命処置)とACLS(二次救命処置)の違い

BLSの内容と手順

上述した通り、BLS (一次救命処置)は胸骨圧迫、人工呼吸、AEDが主体となります。
BLSの大まかな流れは下記のとおりです。
BLS手順

1. 診断:意識・呼吸・循環の確認

①意識の確認を行う。

倒れている傷病者を見かけたら、まずは周囲の安全を確認し、意識の確認を行いましょう。

②救急対応システムへ通報

意識を確認し意識がなければ周りの人に助けを求め、119番通報とAEDの手配を依頼しましょう。

③呼吸・循環の確認

次に呼吸と循環を確認し、呼吸停止もしくは心肺停止であれば心肺蘇生法を開始していきます。

意識、呼吸、循環確認の詳しい解説については下記の関連記事を参考にしてください。

【関連記事】BLSとは|BLSについての要点を整理②|成人のBLS

2. 心肺蘇生法( CPR )の開始

①胸骨圧迫

圧迫の場所は胸骨の下半分です。圧迫の速度は1分間に100~120回の速さで、圧迫の深さは傷病者が成人の場合は1回5~6cm、小児・乳児に対しては胸郭の厚さの1/3以上の深さで行いましょう。

【関連記事①】胸骨圧迫の方法 | 胸骨圧迫の際の手の位置・深さ・速さ(リズム)などポイントを解説

【関連記事②】Hands only CPR(ハンズオンリーCPR)とは|考え方を詳しく解説

②人工呼吸

傷病者が成人の場合は1人法でも2人法でも胸骨圧迫30回に対して2回の人工呼吸を行います。また、傷病者が小児・乳児の場合は1人法であれば胸骨圧迫30回に対して2回の人工呼吸を行い、2人法の場合は、胸骨圧迫15回に対して2回の人工呼吸を行います。いずれの場合においても過換気を避けるようにしましょう。

胸骨圧迫や人工呼吸の詳しい解説はについては下記の関連記事を参考にしてください。

【関連記事①】BLSとは|BLSについての要点を整理②|成人のBLS

【関連記事②】BLSとは|BLSについての要点を整理③|小児・乳児のBLS

3. AEDの使用

AEDに関してはメーカー、機種により仕様が若干変わりますが、どのメーカーのものであれ大まかな流れは下記の通りとなります。
AED手順

①AEDの電源を入れる

まずはAEDの電源を入れましょう。AEDの機種によっては自動で電源が入る物もあります。

②AEDの音声に従う

AEDの音声に従いパッドを張りましょう。パッドが張られればAEDが自動解析を行いショックの必要性を判断します。

③ショックボタンを押す

AEDの自動解析によりショックが必要と判断された場合は、周囲の安全を確認したうえでショックボタンを押し、直ちに胸骨圧迫を再開しましょう。ショックが不要と判断された場合は、ショックボタンを押さずに直ちに胸骨圧迫を再開しましょう。

AEDについての詳しい解説については下記の関連記事を参考にしてください。

【関連記事】【医師監修】AEDの使い方について基礎から解説

正しい知識と技術の習得にはトレーニングが必要

BLSの流れに関しては上述した通りで、実施するのに専門的な資格は必要ありません。しかし、実施するにあったては、しっかりとした知識と技術を身に着ける必要があります。例えば、胸骨圧迫を実施するにあたっても、適切なスピードや深さで圧迫をしなければ、救命効果は落ちてしまいます。適切な技術を習得するためには専門的なトレーニングが必要です。
AHA(American Heart Association:アメリカ心臓協会)が提供するBLSコースはこれらの専門的な知識と技術を習得することが出来、トレーニングとして非常に有用です。
AHAのBLSコースでは、一次救命処置について「① BLSに必要な背景知識(総論)」、「② 成人に対する心肺蘇生法・AEDの使用法」、「③ 小児・乳児に対する心肺蘇生法」、「④成人、小児、乳児に対する窒息解除法」のパートに分けており、その知識と技術を習得できるよう構成されています。

特徴は、消防署などで実施されるようなその他の講習と比較して、実技の習得に非常に重点が置かれていることです。知識が十分であっても、その知識を体現出来なければ心肺停止の患者を救命することは難しくなってしまいます。AHAのBLSコースでは、コース中にこれでもかというほどに実技のトレーニングを行うため、技術習得の面でも安心です。また、ハートコードBLSといい、オンラインを併用したBLSコースもあります。実技以外の内容を事前にオンラインで学習することが出来ることが特徴で、人気のコースとなっています。

⇒ハートコードBLSコースについての詳細はこちらからご確認ください!

AHA公認BLSコースへのお申込み
福岡博多トレーニングセンターで開催しているBLSコースへのお申し込みは、下記よりお申込みいただけます。
福岡県福岡市を中心に、福岡県北九州市、久留米市、熊本県、長崎県で定期的に開催しています。

ハートコード(Heart Code)BLSコースへのお申込み
ハートコードBLSコースとはオンライン併用型のBLSコースで通常のBLSコースと同様にAHAの認定証が発行されます。
福岡博多トレーニングセンターで開催しているハートコードBLSコースへのお申し込みは、オンラインパート・実技パート共に下記よりお申込みいただけます。現時点では、公募での開催は福岡県(博多駅より徒歩4分)に限定されていますが、出張依頼などあれば可能な限りご協力いたしますので、お問い合わせよりご連絡ください。

BLSコースの学習方法

AHAのBLSコースでは筆記試験と実技試験が設けられてあります。
コース中に筆記試験、実技試験があると知り、ドキッとした方もいらっしゃるかもしれませんが、それほど心配する必要はありません。

BLSコースの受講に当たっては、テキストを購入する必要がありますが、そのテキストを用いてBLSにおいて必要な基礎知識を事前学習することが出来ます。筆記試験の内容も基本的な事項の確認といったレベルで、それほど難しいものではありません。また、実技試験に関しても、前述の通りコース中にこれでもかというほどに実技の練習をするので、恐れる必要はありません。

下記に事前学習の参考となる書籍やリンク先を掲載しますので、参考にしてください。

学習方法 その1:AHAのBLSテキスト

BLS受講においては、こちらのテキストを購入する必要があります。基本的にはAHAのBLSコースで必要な知識はこのテキストに全て掲載されており、このテキストを完璧にすれば知識面では問題ありません。

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また、個別の紹介は差し控えますが、BLSの参考図書となる書籍も複数ありますので、適宜使用してみてください。

学習方法 その2:WEBサイト

上述のとおり、BLSの内容に関しては、AHAのBLSテキストで学習可能ですが、このHP上でも要点となる部分を簡潔にまとめています。それぞれの内容に関しては下記にリンクを掲載いたしますので、適宜参考にしてください。

① BLSに必要な背景知識(総論)

>>BLSとは|BLSについての要点を整理①|BLS総論

② 成人に対する心肺蘇生法・AEDの使用法

>>BLSとは|BLSについての要点を整理②|成人のBLS

③ 小児・乳児に対する心肺蘇生法

>>BLSとは|BLSについての要点を整理③|小児・乳児のBLS

④成人、小児、乳児に対する窒息解除法

>>BLSとは|BLSについての要点を整理④|窒息・気道異物

>>ハイムリッヒ法とは|窒息の対応法を詳しく解説

その他のHPにおいてもBLSについてのまとめを記載しているWEBサイトが散見されますので適宜参考にしてみてください。ただし、WEBサイト上の記事では著者が不明だったり、事実でない内容もまぎれている可能性がありますので、情報の取捨選択には十分注意されてください。

【参考文献】
1)アメリカ心臓協会,BLS 一次救命処置 プロバイダーマニュアル,2021
AHAコース受講なら – 福岡博多トレーニングセンター

福岡(博多)・北九州・久留米・熊本・長崎などで、AHA公認のBLS・ACLS・ACLS-EP・PEARS・PALS・ハートセーバーAEDコースを開催。
博多駅筑紫口から徒歩4分・AHA公認・平日も多数コース開催・広々とした明るい会場です。

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